日次ログ(2026.09.05 更新)

【日次ログ】Geminiのサンプリング設定が非推奨に ― APIエラーと移行時の確認

2026-09-05 精査・訂正

初稿の「Google側は挙動が不安定になるだけで動作自体は止まらない」は、公式資料から保証できないため撤回します。現行の移行手順と、Claude側のAPI・SDKの条件を補足しました。今回は資料の照合であり、実際のAPIへの送信やエラー再現は行っていません。

7月21日の告知と、9月5日の移行ガイドを分ける

Gemini APIの変更履歴には、2026年7月21日付でtemperaturetop_ptop_kの非推奨化が記載されています。同じ日の項目にGemini 3.6 Flashと3.5 Flash-Liteの一般提供も載っています。

プロンプト戦略ガイドには、パラメータを変更できるものの、Gemini 3.xでは既定値の維持を強く勧める注記があります。変更によってループや性能低下が起こり得るという説明です。これは、どのモデル・API・SDKでも指定が受理されるという保証ではありません。

さらに、変更履歴からリンクされている最新モデルのガイドを9月5日に開くと、対象はGemini 3.8 Flashでした。その移行チェックリストには、この3パラメータを生成設定から取り除く手順が載っています。7月の告知と、随時変わる「最新モデル」ページの現在の説明を同じ時点の情報として扱わないようにします。

したがって、初稿のようにGoogleを「警告だけ」、Anthropicを「必ず停止」と単純に二分する説明は不適切でした。移行先のモデルIDと利用APIを確定し、その時点の対象モデルの手順で確認する必要があります。

Claude側でも、APIとSDKで失敗する場所が違う

9月5日に確認したAnthropicのパラメータ非推奨ページは、3パラメータについて次の条件を説明しています。

確認する層 公式資料にある条件
API Opus 4.7以降を対象とする非推奨欄で、Claude 4.7以降とMythos Previewに既定値以外を指定すると400エラー
Python SDK v1.0以降では3パラメータが取り除かれ、渡すとTypeError
推奨される対応 対象パラメータを省略し、振る舞いはプロンプトで誘導

APIの条件は「既定値以外」を指定した場合です。一方、Python SDKの説明は引数を渡した時点の条件で、同じものではありません。また、すべての言語のSDKが同じ扱いだとは書かれていません。

SDKの呼び出しで失敗して送信に至らない場合と、送信先からHTTP 400が返る場合では、確認する記録も異なります。どちらも「モデルを最新版へ変えた瞬間に必ずパイプライン全体が停止する」とまでは断定できません。アプリ側の例外処理や再試行の設計も関係するためです。

実務では、検索した範囲と送信内容を区別する

初稿には、リポジトリの文字列検索で指定が見当たらなかったため「未使用」と書いていました。しかし、検索対象・除外範囲・利用SDKを記録していない検索だけでは、処理全体で未使用だとは証明できません。今回、その断定も取り下げます。

これから自分の処理を点検する場合は、以下を一組で残すと、モデルを替えたときに比較しやすくなります。当ブログで整理した点検票であり、特定の環境に対する実行済みの結果ではありません。

点検項目 記録すること
呼び出し先 事業者、モデルID、利用API、SDK名と版
設定の所在 自作コード、共通設定、利用ライブラリ。検索した範囲と除外した範囲
実際のリクエスト 3パラメータが含まれるか。鍵や業務データは記録から除く
失敗の場所 送信前の例外か、HTTP応答か、正常応答後の出力検査か
比較結果 同じ非機密入力で、変更前後の出力と後続処理の結果

文字列検索にはtopPtopKなどの表記違いもあり得ます。見つかった文字列が説明文なのか、実際の設定なのかも読み分けます。検索結果だけで設定を一括削除せず、移行先が使う設定と対象外の処理を区別してください。

出力形式を指定しても、内容の正しさは別に検査する

プロンプトで出力形式を明示したり構造化出力を使ったりすることは、入力パラメータが受理されるかという問題とは別の対策です。Googleの構造化出力ガイドも、JSONとして正しい出力であっても、値の検証と意味的に誤った出力への対処をアプリ側で行うよう案内しています。

例えば「金額を数値で返す」という形式が守られていても、抽出した金額や通貨が元データと一致するとは限りません。形式の検査、元データとの照合、後続処理への入力可否を分けて判定します。これはパラメータを省略しただけで不要になる検査ではありません。

今回の限界と次の行動

今回確認したのは公式5ページの記載です。APIのHTTPコード、SDKのTypeError、パラメータ変更による品質差や費用差は実測していません。他の事業者やすべてのGemini旧モデルにも同じ条件が当てはまるとは一般化しません。

モデル変更前には、まず現在のモデルID・API・SDK版を記録します。次に該当する移行ガイドを読み、非機密の小さな入力で変更前後を比較してください。「非推奨」と聞いて一括削除するのでも、「まだ動くはず」と放置するのでもなく、設定の受理と出力の品質を別々に確認するのが、この記録からの次の行動です。

一次情報・出典

  1. Google公式:Gemini API Changelog(2026-07-21)
  2. Google公式:Prompt design strategies
  3. Google公式:Latest model(9月5日はGemini 3.8 Flash)
  4. Anthropic公式:API parameter deprecations
  5. Google公式:Structured outputs